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アイルランド出身のThe Strypes、”Snapshot”は超オススメです

アイルランド出身のThe Strypes、"Snapshot"は超オススメですアイルランド出身、平均年齢16歳のThe Strypes。彼らのファーストアルバム”Snapshot”を聴いたのですが、ホントに十代?と思えるくらいクラシックで、そして熱いアルバムになっています。

来歴

Wikipediaを見ると、バンドの結成は2008年。彼らの年齢から逆算すると11歳くらいでしょうか。日本で言うと、中学生1年生が60年代のロックンロールを演っている感じでしょうか。
音楽的なルーツは、60年代のブルーズや70年代のDr.Feelgoodなどと書かれていますが、もう少し古い、50年代の音楽の方が彼らに影響を与えているように聞こえます。

2012年4月、彼らは最初のシングル”Young, Gifted & Blue”をリリースしました。4曲入りのEPですが、全てカバー曲で構成されています。と言っても、レコード会社のバックアップがある訳はなく、自らプロモーション活動を行っていたそうです。ところが、その後にiTuneチャートで1位を獲得し、一躍注目を集めることになります。
ライナーノーツにも書かれていますが、エルトン・ジョン、ジェフ・ベック、ポール・ウェラーなどが、彼らのファンとして知られています。

そして、2013年にファーストアルバム”Snapshot”をリリース。UKでチャート5位、アイルランドでチャート2位という記録を残しています。

クレジット

今回のアルバムでは、

・ロス・ファレリー(vo,harp)
・ジョシュ・マクローリー(gt,vo)
・ピート・オハンロン(b,harp)
・エヴァン・ウォルシュ(dr)

という四人のメンバーのみの演奏で、彼ら以外のアーティストは参加していないようです。

そして、プロデューサーにはクリス・トーマスが参加。まさに、熟練のプロデュース能力といった所でしょうか。

全曲レビュー

さて、今回のアルバムに収録されている曲を、一言添えた状態で紹介してみたいと思います。

1.Mystery Man(2:44)
アルバムのオープニングを飾る、スピード感に溢れる曲です。パブ・ロックの現代的解釈といったサウンドが、とても爽快感を感じさせます。あと、ギターのサウンドメイクが、ウィルコ・ジョンソンそっくりですね。ちょっと湿った感じのシングルコイルの音が、とてもカッコイイです。

2.Blue Collar Jane(2:50)
スタンダードなブルーズ・ロックです。けだるい感じの歌い方が雰囲気を出しています。

3.What the People Don’t See(2:57)
ちょっと休憩といった感じで、ブルーズ要素を少し抜いて、ミディアムテンポのロックといったサウンドです。ライブでサビを合唱したくなります。

4.She’s So Fine(2:19)
チャック・ベリーに現代風のエッセンスを加えたような、いわゆるロックンロールサウンド。ダックウォークが目に浮かぶようです。

5.I Can Tell(3:42)
ボ・ディドリーのカバーです。オリジナルはR&Bサウンドでしたが、彼らの演奏では、ブルーズ要素が強くなっていますね。

6.Angel Eyes(4:11)
一転して、ダウンテンポなスロー・ブルーズです。ボーカルも、これまでのシャウトとは違って、低めの声で押さえつけるような歌い方。途中のギターソロも、小節に無理矢理入れるようなゴリゴリと押してくる感じです。
ただ、もっと弾けたいんだけれど、それを無理矢理押し込んで演奏している印象もあるのですが、それもまた若さですかね。

7.Perfect Storm(2:24)
また一転、速いテンポのロックンロール。この演奏を聞いていると、彼らはこういうタイプの曲が大好きなような気がします。

8.You Can’t Judge A Book By The Cover(2:16)
こちらもボ・ディドリーのカバーです。作者はウィリー・ディクソンで、ディドリーのオリジナルはR&Bの定番といった作品になっています。
一転、彼らの演奏は、ウィリー・ディクソン風味を残しつつ、パブ・ロック的なアレンジにしてみましたという感じがします。

9.What A Shame(2:24)
ボブ・ディランの影響が感じられる、トーキング・ブルーズのような曲です。このアルバムの中では、若干毛色の変わった曲に聞こえます。

10.Hometown Girls(3:05)
アルバムの中で、一番ポップな曲だと思います。楽しげなサウンド、狙ったかのようなサビのボーカルフレーズ。これはライブで盛り上がりますよー。

11.Heart Of The city(3:19)
ニック・ロウのカバーです。オリジナルに較べて、よりアグレッシブな演奏になっています。

12.Rollin’ And Tumblin'(4:03)
ブルーズ、ロックの大定番曲を、彼らなりのサウンドでカバーしています。元々はカントリー・ブルーズの曲なのですが、こちらも70年代ロックサウンドにアレンジされています。
あと、これまでマディー・ウォーターズがオリジナルだと思っていたのですが、Hambone Willie Newbernというアーティストが、元々のオリジナルでした。いやー、勉強不足で恥ずかしいです。。。

13.I’m A Hog For You Baby(3:30)
ジェリー・リーバー、マイク・ストーラー作のカバーです。
ライナーノーツによると、キンクスのバージョンが有名だそうで、そのバージョンと聞き比べてみたのですが、キンクスのフォーク・ロック的なサウンドに対して、よりエッジの効いたロック的なサウンドにアレンジされています。

これらの本編に加えて、日本盤では3曲のボーナストラックが追加収録されています。

14.Monkey(2:10)
オリジナルは、Squeezeというアーティストの曲で、Dr.Feelgoodがカバーしていたそうです。オリジナルは聞けなかったのですが、力を抜いたパブ・ロックに仕上がっています。

15.Shot Down
Sonicsのカバーです。オリジナルは、まるでリトルリチャードのようなボーカルと50年代のR&Bサウンドが特徴でしたが、もう少し新しい、60年代ロック風のアレンジに聞こえます。真ん中のギターソロ、カッコイイですね。

16.It Ain’t Right
最後はライブパフォーマンスを収録。オリジナルは、ブルーズ・ハープの神、リトル・ウォルター。オリジナルも、かなりアップテンポの曲なのですが、更に激しい演奏となっています。ライブ故のグルーヴ感がたまらないです。

++++

と、全体を簡単にレビューしてみたのですが、勿論不満点もあります。
これは若いから仕方の無いことかもしれませんが、演奏技術が、まだ拙いところがあるように聞こえます。特に、ブルーズ・ハープはまだまだ力任せに吹いているだけで、もっとベンディングやビブラートをうまく使って欲しいと思います(ブルーズ・ハープの演奏歴だけは長いので、ちょっと生意気を言いました)。

ではあるけれど、この若さで、この作品、このクオリティーを出されると、将来が楽しみでなりません。

謎のアーティスト、Jordan Bratton。今から要チェキです!!
今日の一曲、Manu Gavassiの”Planos Impossiveis”

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佐々木 真

音楽関連のディストリビューション、Webディレクターとして働いてきました。最近は、もっとコーディングしたいなあと思っております。

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