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竹田ダニエル「SNS時代のカルチャー革命」

竹田ダニエル「SNS時代のカルチャー革命」。ビヨンセのアルバムについて書かれていたので購入。

2024年に発売されたビヨンセの「カウボーイ・カーター」。めちゃくちゃ評判がよく、今年のグラミー賞でも、アルバムオブザイヤーにノミネートされている。個人的にも、すごく良いアルバムだと思うので、ぜひ受賞して欲しいなあと思う。

このアルバムは、ビヨンセによるカントリー音楽についてのアルバムと言われているけれど、この書籍では、同時代という横方向に分析されていて、なるほどなあと思う部分も多くあった。

ただ、音楽の歴史という縦方向の分析では、ちょっと断定しすぎではと思う部分もあった。例えば、「カントリー音楽のルーツは黒人音楽にある」と書いているけれど、もちろん影響を受けていないことはないだろうけど、コード進行などをみると、ヨーロッパからの移民の音楽やアパラチア音楽の影響の方が強いのではないかと思う。

この章の最後に「音楽は政治から、文化は歴史から切り離せない」と書かれているが、ウディ・ガスリー、ピート・シーガー、ボブ・ディランといったプロテストソング系の要素がアルバムに入っていないのに気付いた。

アメリカの音楽の歴史において、そういったフォーク、プロテストソングは避けられない、無視できないと思うのだけれど、それが入っていないということは、あえて除外したのだと思う。

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ss

音楽関連のディストリビューション、Webディレクターとして働いてきました。最近は、もっとコーディングしたいなあと思っております。